(独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は3月12日、つくば市(茨城)の同研究所で今年の4月下旬から栽培を開始する予定の「カルビンサイクル強化イネ」と呼ばれる遺伝子組み換えイネの栽培実験計画書を発表した。
カルビンサイクル強化イネは、植物が光エネルギーと水、空気中のCO2(二酸化炭素)から糖やデンプンなどの有機物を合成する光合成反応の能力を強化した、糖・デンプン合成量の増加が期待できるイネ。
発表によると、遺伝子組み換えによりカルビンサイクルを強化したイネの播種・育苗を4月下旬から開始し、5月中旬に同研究所高機能隔離圃場(ほじょう)の約10a(アール、1aは100㎡)の面積にカルビンサイクル強化イネと、対照品種の「日本晴」、「クサホナミ」、「モミロマン」を育て、9月下旬に収穫する予定。
実験を行う遺伝子組み換えイネの栽培区画は、最も近い一般の圃場から250m以上離れ、開花期に台風などの強風が想定される場合には防風ネットを張って他のイネとの交雑を防止するとしている。
また、同研究所と外部との境界近くの4カ所で、モニタリング用イネのポット栽培を行い、遺伝子組み換えイネの花粉の研究所外への飛散をウオッチするという。
No.2014-10
2014年3月10日~2014年3月16日