
ニラを上下のノズルの間に送り込むとセンサーの働きでニラが挿入されている時だけ圧搾空気を吹き付けて下葉を取る(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)
(独)農業・食品産業技術総合研究機構は3月11日、収穫したニラから食用にならない株元(根元)部分の下葉と呼ばれる不要な葉を落とす「省エネ型ニラ下葉除去装置」を開発したと発表した。
ニラは、ハウスの中で育てるハウス栽培により一年を通しての周年出荷ができる。このため、同一圃場(ほじょう)で年間5~6回の収穫が行え、収穫したニラに圧搾空気を吹き付けて下葉を取り除く機械が一般に使われているが、大量の圧搾空気が必要なことからどうしても電気料が高くなるという問題を抱えている。
こうしたことから、同機構は、平成23年度から圧搾空気の使用量削減を目的とした省エネ型ニラ下葉除去装置の開発に着手し、完成したもので、圧縮空気を間欠的にニラの株元に噴射して下葉除去を行う方式。
開発した装置は、幅61cm、奥行き42cm、高さ57cmという大きさで、重さは24kg。上下2個の圧搾空気噴射ノズルの間にニラの株元を送り込むと光電センサーがニラの有無を検出、ニラが挿入されている時だけ圧搾空気噴射用の電磁弁を高速で「入り」、「切り」して間欠的に圧搾空気をニラに吹き付ける仕組み。
既に群馬、栃木、茨城のニラ産地で実証試験を実施済みで、「連続的に空気を噴射する従来の機械と比較して、空気使用量は約2分の1となり、それに伴い圧搾空気を作り出すコンプレッサーの消費電力を同2分の1に節減できる」と農研機構は発表している。
ニラの茎が割れたりするなどの損傷は無く、下葉をどれだけ取り除けたかの除去率も開発機で約80%という高い値を記録、「従来機を利用した場合より20ポイント程度高い」と同機構はいっている。