陸域観測技術衛星「だいち2号」を5月24日打上げ
―災害状況把握・資源探査など観測可能領域を大幅拡大
:宇宙航空研究開発機構/三菱重工業

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陸域観測技術衛星2号「だいち2」(ALOS-2)イメージ図(提供:JAXA)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は3月14日、陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」を乗せたH-ⅡAロケット24号機を、JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から5月24日に打ち上げると発表した。打ち上げ予定時間帯は日本標準時間で同日午後12時5分から同20分までの間。同日打ち上げられなかった場合の予備期間は6月30日までとなっている。

 

■小型衛星4機も相乗り

 

 「だいち2号」は平成18年1月に打ち上げられ、寿命を超えて同23年5月まで運用された「だいち」の後継機で、重さは約2.1t。地球の南・北極を通る高度約630kmの地球軌道を回るので「だいち」同様、地図作成・陸域観測・災害状況把握・資源探査など、幅広い分野での活用が期待される。前の「だいち」は、衛星から地表に向けて電波を発射、地表から跳ね返ってくる電波を受信して地表面を観測する地表可視化レーダー(PALSAR)と地表のカラー写真を撮る光学センサーを搭載していた。
 これに対して「だいち2号」では開発時間の短縮と重さとコストの削減のために機能を単能化、光学センサーを搭載しない代わりに、昼夜の別なく地表を観測できる地表可視化レーダーにスポットライト観測モードを新たに追加、地表の分解能を「だいち」の約10mから約1~3mに高めた「PALSAR-2」を搭載、より精度の高いデーターをユーザーに提供、災害状況など詳しく把握できるようにした。また、「だいち」にはなかった左右観測機能を持たしたことで観測可能領域を870kmから2,320kmに拡大した。
 なお、今回の打ち上げではH-ⅡAロケットの打ち上げ能力に余裕があるので、「だいち2号」の他に東北大学など4者がそれぞれ開発した重さ50kgまでの小型衛星4機が相乗りして、同時に打ち上げられる。

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