端境期に集荷可能な多収のイチゴ新品種を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構

寒冷地向けの新品種「豊雪姫」の草姿(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は7月1日、同機構の東北農業研究センターが、国内産イチゴの出荷量が減少する5月から7月の端境期に出荷できる、果実が大きくて多収の新品種イチゴ「豊雪姫(とよゆきひめ)」(品種登録出願番号:第27084号)を開発したと発表した。
 現在、主に東北地方で5月から7月にかけて果実を収穫する、ケーキ向けに栽培されている品種は、果実が硬く日持ちに優れる一方、果皮の割れや果実の変色が見られることがある。
 新品種の「豊雪姫」は、果実が大きく形状が揃っている「盛岡32号」と複数の病気に抵抗性のある「カレンベリー」を交配してできた。果皮の割れや変色などの点が改良され、果実の変色は見られない。糖度はやや低く、酸度はやや高いが、食味は優れている。極晩生で寒冷地の無加温半促成栽培、露地栽培に適している。また、感染すると株が枯れる炭疸病(たんそびょう)に対して抵抗性がある。
 雪の季節を越えることで豊かな収穫のできる品種とのことから「豊雪姫」と名付けられた。北国の豊かさの象徴となるようにとの願いが込められているという。
 種苗は平成26年から販売の予定。現在、青森県や岩手県の一部産地で試験栽培が進んでいる。

詳しくはこちら