(独)物質・材料研究機構(NIMS)と電気化学工業(株)=DENKA=は6月4日、「NIMS-DENKA次世代材料研究センター」を開設したと発表した。次世代機能性材料の研究を主なターゲットに、新分野の開拓、シーズの発掘・育成、研究成果の活用を連携して推進する。
■年間予算2億円超、50人近い研究者でスタート
物質・材料研究機構と電気化学工業はこれまでも連携研究の実績があり、電子顕微鏡の電子源として広く使用されている6ホウ化ランタン単結晶や白色発光ダイオードのバックライト用蛍光体「βサイアロン蛍光体」などを実用化してきた。
近年、機能性材料の革新は急速に進んでいることから、両者は新製品やソリューションモデルを生み出すイノベーションの拠点を共同で設けることにした。
同センターは、つくば市並木1丁目の物質・材料研究機構内に置き、センター長には物質・材料研究機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点ナノチューブユニットナノチューブグループの三留正則リーダーが就任。研究者の数は、両者合わせて50人近くになり、研究費などは年間2億円超を予定している。
同センターでは、形状を変えることで新たな特性が期待される窒化ホウ素や、βサイアロンの微細構造、発光特性などの研究をさらに進めるなど発光ダイオード(LED)や電子回路基板、パワーデバイス用放熱板などで使用される蛍光体といった次世代高機能性材料の基盤技術開発のほか、新たなニーズに対応する包括的な研究連携を進めることにしている。