
地球の「水」を観測する「しずく」のイメージ図(提供:JAXA)
(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月17日、昨年5月に打ち上げた大気中の水蒸気量や海面の温度など地球の「水」に関する物理量を観測する衛星「しずく」の計測データ提供を同日からホームページで開始したと発表した。
「しずく」は、宇宙から地球の水環境をウオッチする目的で、同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から「H-ⅡA」ロケットで打ち上げられた重さ1,991kgの人工衛星。正式名称は、第一期水循環変動観測衛星といい、地球を取り巻く水蒸気量をはじめ降水量、積雪量、海面水温など8種類の物理量を捉えることができる。
JAXAは、「しずく」の計測データとラジオゾンデや海洋ブイなどで得た値とを比較して精度を評価し向上させる初期検証作業を進めていたが、このほど終了したことから計測データの提供を開始したもの。
「しずく」の計測データ利用についてJAXAは「北極海域の海氷の監視、漁業のための漁海況情報の作成、干ばつ・洪水の把握など様々な分野での利用が予定されている」といっている。