加工用サツマイモの新品種「ほしこがね」を開発
:作物研究所

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は2月13日、加工用サツマイモの新品種を開発したと発表した。
 加工用サツマイモは、農家の「6次産業」の典型例といわれる干しイモ(乾燥イモ)生産に主に使われ、日本全国で年間約4万tの干しイモ加工用サツマイモが生産されている。
 新品種は、名称を「ほしこがね」と呼び、品質の優れた干しイモを高収量で作れるという。既に同研究所とこの「ほしこがね」の種苗利用契約を締結した民間種苗会社が種苗の販売を開始している。
 農業などの1次産業が2次産業の食品加工、3次産業の流通販売までを行なうことを6次産業化といい、干しイモは茨城県の農家を中心に生産され、生産額は日本全体で年間約70億円。
 その干しイモの9割以上は、「タマユタカ」という加工用サツマイモで作られているが、干しイモが白く不透明になるシロタと呼ばれる品質劣化を起こす難点があり、年によってはそのシロタで3割もの干しイモが廃棄されている。
 新品種「ほしこがね」は、シロタが生じないサツマイモを目指し開発したもので、シロタがほとんど発生しないことを確認している。
 「ほしこがね」で作った干しイモは、黄色みを帯びたきれいな色になり、食味も「タマユタカ」に劣らないという。
 同研究所は、茨城県などのサツマイモ産地で栽培が見込まれるとし、この「ほしこがね」を干しイモ作りに使えば早期加工が可能なため、干しイモの年末年始向けの年内出荷ができるようになるとみている。

詳しくはこちら

左が「ほしこがね」の干しイモ。右が「タマユタカ」の干しいも。 右下はシロタが発生したタマユタカの干しいも(提供:作物研究所)