スギ花粉に含まれる放射性セシウム濃度は低下
―24年度は前年度調査の3分の1程度に
:森林総合研究所/林野庁

 (独)森林総合研究所は2月8日、林野庁の委託事業で行ったスギ花粉を放出するスギの雄花に含まれる放射性セシウムの平成24年度の調査結果を発表した。
 スギの雄花1個には、約40万個ものスギ花粉が入っている。このため、森林に降下した福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質がスギ花粉を介して再拡散する懸念があるとして、昨年度に続き福島県内のスギ林のスギ雄花を調査したもので、放射性セシウム濃度の最高値が平成23年度の3分の1程度のスギ雄花1kg当たり約9万ベクレルにまで低下していることが分かった、としている。
 今回は、23年度に調査を行なった福島県内132カ所のスギ林のうち最高値を記録したスギ林を含む31カ所で、平成24年11月6日から同年12月26日にかけスギ花粉の採取を行い、ゲルマニウム半導体検出器を使って放射性セシウム134と同137の濃度を測定する方法で調べた。
 その結果、前回の平成23年度の調査で最高値となったスギ林と同じ地点で今回も最高値を記録、その他の地点の放射性セシウム濃度は前回の半分程度に低下していた。
 また、今回記録した最高値の放射性セシウムがスギ花粉に含まれて大気中を飛散し、それを人が吸入したと仮定して人間が受ける放射線量を試算したところ、1時間当たり最大で0.0000715マイクロシーベルト(マイクロは100万分の1)となり、平成23年度の3分の1程度にまで下がるという結果が出たといっている。

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