(独)国立環境研究所は2月6日、3つの特別研究の成果報告書を発表した。
研究プロジェクト名は、タイの研究機関と連携して実施した「資源作物由来液状廃棄物のコベネフィット型処理システムの開発」と、「二次生成有機エアロゾルの環境動態と毒性に関する研究」、「胚様体を用いた発生分化毒性学に特化したマトリックスの開発」。
「資源作物由来液状廃棄物のコベネフィット型処理システムの開発」は、東南アジア地域でのバイオエタノールの生産に伴う温室効果ガス(メタン)の大気放散や水質汚染に対し、温室効果ガスの発生抑制や廃液処理技術の開発などを報告している。
「二次生成有機エアロゾルの環境動態と毒性に関する研究」は、近年高まる窒素酸化物や揮発性有機化合物などからできる二次生成有機エアロゾルについて、細胞への毒性研究、化学組成の分析、発生源の解明など一連の研究を報告、この研究が、「微小な粒子状物質(PM)の大気環境影響の研究の新たな取り組みの一歩になれば」としている。
「胚様体を用いた発生分化毒性学に特化したマトリックスの開発」報告は、環境化学物質や環境有害因子に関して、発生分化段階での健康への影響について行われる胚性幹細胞(ES細胞)を用いた評価試験を行う上で重要な手法の開発や、有機ハロゲン化物質や内分泌攪乱化学物質に関する「初期暴露の晩発影響」の知見を得ることができたとしている。
3報告書は、同研究所のホームページで閲覧できる。
No.2013-5
2013年2月4日~2013年2月10日