(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月30日、高度約3万6,000kmの静止衛星軌道を回っている同機構の超高速インターネット衛星「きずな」を使っての災害医療支援の実験を(社)日本医師会と共同で行う協力協定を同医師会と結んだと発表した。
日本医師会は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の際、多数の医師などからなる災害医療チームを被災地に派遣したが、被災地や派遣先との情報の共有で課題を残した。
一方、JAXAは、同地震で通信インフラが途絶して復旧活動に支障が生じていた被災地に対し、「きずな」を介しての衛星通信回線を提供する支援活動を行い、インターネットやテレビ会議を可能にした。
こうした両者の経験を踏まえ、JAXAと日本医師会は、昨年7月、札幌市や首都圏に大震災が発生したというシナリオの下、「きずな」を介して被災地のカルテや避難所の情報などを共有するデモンストレーションを既に実施している。
今回の協定は、より有効なインターネット衛星による災害時の情報共有手段の確立を行なうため締結したもので、日本医師会の横倉義武会長とJAXAの立川敬二理事長が協定に署名した。
No.2013-4
2013年1月28日~2013年2月3日