水観測衛星「しずく」の運用を開始
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月4日、今年5月18日に同機構種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から打ち上げた第一期水循環変動観測衛星「しずく」搭載の高性能マイクロ波放射計「AMSR2(アムサー・ツー)」が7月3日から地球の観測を開始したと発表した。
 「しずく」搭載の「AMSR2」は、宇宙に設けた世界最大の回転アンテナ。直径が約2mもあり、このアンテナを1.5秒間に1回転という速さで回転させて地表や海面、大気などから放射されるマイクロ波(電磁波)を捉え、降水量、大気中の水蒸気量、海洋の水温、積雪量など地球の水環境を観測する仕組み。
 「しずく」は、地球を約100分で1周しているが、7月3日の午後1時頃(日本時間)日本の上空を通過、その際「AMSR2」が捉えた日本周辺の観測データから同機構が作成したのが右の疑似カラー合成画像。
 同時刻頃、日本の上空には梅雨前線が停滞し、四国の東側や近畿にかけて広い範囲で強い雨が降っていたが、その強い雨の領域が黄白色に写っている。

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日本周辺の疑似カラー合成画像。黄白色部分は強い降水域や海氷域、水色から紺へは水蒸気や雲の増加を表している。黒い部分は観測されていない領域(提供:宇宙航空研究開発機構)