つくば市襲った竜巻の風速「F2」レベルと推定
:防災科学技術研究所

 (独)防災科学技術研究所は5月6日、つくば市(茨城)で同月6日に発生した突風について被害状況など第1報(速報)を発表、次いで同月8日には、竜巻をもたらした積乱雲に関して解析した第2報を発表した。
 6日の速報によると、被害は、つくば市吉沼から北条地区を抜け平沢地区周辺にかけて約10kmにわたって直線的に分布していることが確認されたとしている。また、倉庫が屋根だけ残して倒壊し、自動車が吹き飛ばされたりしている被害の様子から竜巻の風速は、「藤田スケール(Fスケール)」で「F2」レベルだったものと推定している。
 藤田スケールは、1971年に米国シカゴ大学の藤田哲也教授が考案した竜巻の強さの指標で、家が跡形もなく吹き飛ばされる最強の「F5」から、テレビのアンテナが倒れる「F0」まで6段階あり、「F2」は、上から4番目、「7秒間の平均風速が秒速50~69m」のレベルの竜巻と規定している。
 さらに、8日の第2報によると、その後のレーダー解析の結果、発生当日に竜巻の前触れともいわれる「フックエコー」と呼ばれる鉤形(かぎがた)の降水域が観測されていたことが分かった。
 さいたま市に設置している国土交通省のXバンドMPレーダーと千葉県柏市にある気象庁のCバンドドップラーレーダーで観測されたデータを解析したところ、竜巻が発生する前の6日午後0時32分につくば市の北西側に積乱雲が観測され、積乱雲の南西の端にフックエコーが見られた。フックエコー周辺では、反時計回りに回転する風も観測されている。
 このフックエコーの経路は、竜巻の経路とよく一致しており、竜巻はフックエコー付近で発生したという。また、気象庁レーダーによると、大きな被害を受けた北条地区の西南西側では、午後0時40分に高さ14~16kmという大きく発達した積乱雲が観測されたとしている。

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