気象庁の気象研究所は5月11日、つくば市(茨城)付近で同月6日に発生した竜巻についての解析結果を発表した。
同研究所が竜巻発生後、直ちに水戸地方気象台、銚子地方気象台と共に行った現地調査と、同研究所(つくば市)の屋上に設置している研究用ドップラーレーダーで観測したデータの解析結果、高解像度モデルを使っての再現実験をもとにまとめたもので、「スーパーセル」と呼ばれる巨大積乱雲が大きな竜巻をもたらしたと推定している。
突風被害は、常総市(茨城)からつくば市にかけ、長さ約17km、幅500mの帯状域に連続的に分布し、発生した竜巻は1つだったことが現地調査で判明。竜巻は、その約17kmの距離を18分ほどで通りぬけていたことがドップラーレーダーの観測データから分かった。竜巻は、時速約60kmの高速で移動したことになる。
また、数値シミュレーションから、今回の竜巻をもたらした積乱雲がスーパーセルだったと推定される結果が得られたとしている。
スーパーセルは、竜巻の多い米国中西部でよく発生することが知られ、わが国でも2006年に北海道の佐呂間町でスーパーセルから9人の死者を出す竜巻が起きている。
No.2012-19
2012年5月7日~2012年5月13日