高収量の「もち米」新品種を開発
:作物研究所

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は12月10日、10アール(1アールは100㎡)当たり800kg以上の高収量が期待できる「もち米」の新品種を作ることに成功したと発表した。
 新品種の名称は、「もちだわら」。俵が山のように積まれる豊作を願って命名したという。すでに、茨城県などでこの新品種を米菓や業務用の餅の原料に使うことが計画されている。
 米粉パンや米粉麺などの新たな米の利用が進み、多収の「うるち米」新品種の育成が進んでいるが、「もち米」を使う分野においても、国産の低価格の原料米への強いニーズがある。しかし、既存の水稲のもち品種は、うるち品種と比べると収量が低く、ニーズに十分応えられていないのが実情。
 新品種「もちだわら」は、既存の多収もち品種「おどろきもち」より多収で、新規の米粉用製品にも利用できることを目指し、もちの多収系統の「北陸糯(ほくりくもち)181号」と、うるちの多収品種「北陸193号」を交配して育成した。
 新品種の玄米収量は、既存の「おどろきもち」より15%程度多収で、群馬、富山、愛媛、大分の各試験地での栽培では10アール当たり850~936kgの高収量を得ている。
 栽培適地は、関東以西の温暖地。同研究所では、「飼料用米としての利用も期待される」といっている。