(独)物質・材料研究機構(NIMS)は10月22日、インドのインド大学間共同利用加速器センター(IUAC)とナノ材料の共同研究を行うことになったと発表した。
今回決まったのは、「イオンビームによるナノ材料の創製・特性制御」に関する共同研究で、すでに10月8日にインドのニューデリーで両代表が覚書(MOU)への調印を終えている。
IUACは、1億電子V級の高速重イオンビームを発生できる巨大なタンデム型重イオン加速器を持っている。これだけエネルギーの高いイオンは、固体を構成する原子とあまり衝突せず、代わりにイオンが通過したnm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)径の領域で強い電子励起現象が起こる。
共同研究では、IUACの1億電子V級重イオン加速器とNIMSの高度なナノ構造評価技術を駆使して「高エネルギーナノ材料科学」と呼ばれる新しい学際領域を開拓することを目指す。具体的には、ガラス中に分散されたナノ粒子をはじめとするナノ材料を対象に高速重イオンを照射し、誘起されるナノ構造の形状変化・特性変化を研究する。
No.2010-41
2010年10月18日~2010年10月24日