(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月19日、準天頂衛星初号機「みちびき」の姿勢制御系や通信系の初期機能確認を進め、このほど測位関係機器の起動を終えて計画している5つ信号電波の最初の電波の送信を同日から始めたと発表した。 当面は、測位信号の機能・性能の確認を行うのが目的で、一般ユーザーの利用はできない設定になっている。 この信号電波は、米国のGPS(全地球測位システム)の健全性に関する情報などを載せたGPS補強信号。この信号がGPSなど既存の衛星測位サービスに影響を与えないことを確認してから、残る4つの信号電波も送信を始める。いずれも段階的に出力を上げていく。これらの初期機能確認は、12月上旬頃まで約3カ月間続ける。 「みちびき」は、今年9月11日にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-IIA」ロケット18号機で打ち上げた我が国初の準天頂衛星。この衛星システムでは、周期が静止衛星と同じ複数個の衛星を軌道面を違えて配置する。こうすると、日本付近の天頂辺りに常に1個の衛星が見え、この衛星システムを使えば山間地やビル陰などの影響を受けず、ほぼ100%日本全土でGPSの利用が可能になる。それを実証するため、JAXAは「みちびき」の初期機能確認後、「みちびき」を使ってGPS機能を補完・補強する技術と利用の実証実験を行う。 詳しくはこちら |  |
測位信号の送信を開始した「みちびき」(提供:宇宙航空研究開発機構) |
|