(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月14日、同日開かれた宇宙開発委員会に次世代固体ロケット「イプシロン」の開発計画を報告、同委員会に対し開発移行に向けての評価を要請したと発表した。 イプシロンは、「M(ミュー)-5」型固体ロケットの後を継ぐ次世代機。M-5ロケットは、2006年9月23日の太陽観測衛星「ひので(SOLAR-B)」打ち上げを最後に運用をストップしており、このままだと日本から人工衛星打ち上げ用の固体ロケットがなくなってしまう状況にある。 イプシロンは、M-5ロケットの技術を継承する3段式の固体ロケットで、1段目には現用の大型液体ロケット「H-2A」の固体ロケットブースターを使い、2段目・3段目にはM-5ロケットの2・3段目を改良した固体ロケットを搭載する。 イプシロンは、全長約24m、直径同2.5m、総重量同91tで、重さ1.2tまでの人工衛星を地球を回る低軌道に乗せることのできるロケットを目指している。 M-5ロケットは、打ち上げるまでの準備に42日間を要したが、イプシロンはこの打ち上げ準備期間を世界最短の7日間にまで短縮する計画。 また、イプシロンでは、コストの大幅削減に挑戦し、トータルコストをM-5の約3分の1にまで下げる目標を掲げている。 同機構は、2013年度にイプシロン初号機を打ち上げることを目指している。 宇宙開発委員会は、同機構の要請に応じ推進部会を設置して開発の工程、コスト、技術課題などの審議を進め、8月下旬までに同委員会としての結論を出す予定。 詳しくはこちら |  |
次世代固体ロケット「イプシロン」の予想図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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