(独)農業・食品産業技術総合研究機構は3月23日、同機構の近畿中国四国農業研究センターが、米と混ぜて麦ご飯として炊いた時に褐変しにくく、味が良く、食物繊維の「β(ベータ)・グルカン」を多く含む大麦の新品種を開発したと発表した。
大麦には、「二条大麦」と「六条大麦」がある。この内、二条大麦は主にビール製造に使われ、食用には一般に六条大麦が用いられてきたが、近年、二条大麦が食用大麦として注目されている。
しかし、両大麦共、炊飯後に変色(褐変)する難点がある。今回の新品種は、二条大麦でその褐変問題を解決したもので、名称は「キラリモチ」。
大麦が炊飯後、薄茶色に褐変するのは、「ポリアントシアジニン」というポリフェノールを含んでいることによる。「キラリモチ」は、そのポリフェノールの含量を従来の大麦の半分程度まで下げることに成功したもので、炊飯後の褐変がほとんど見られず、麦ご飯を白いまま保てる。
また、血中のコレステロールを下げる機能を持つβ・グルカンの含量が従来品種の約1.5倍と多いほか、「もち性」があるため、麦ご飯にした時粘りがあり、従来品種より白さは勿論、香り、軟らかさ、味、の何れも勝っていることを「麦ご飯食味試験」で確認した。
No.2010-12
2010年3月22日~2010年3月28日