(独)産業技術総合研究所は3月26日、山形大学と共同で大面積の調光ガラスを安価に効率良く作る技術を開発したと発表した。
調光ガラスは、電気や熱、光などによって色がついたり消えたりするガラスのこと。
近年、空調の効率を高めるため、窓ガラスの色を制御して室内に透過してくる光の量を調整する調光ガラスへの関心が高まっている。しかし、現在市販されているものは、まだ高価で、広く普及するまでにいたっていない。
新技術で得られる調光ガラスは、電流によって青色にしたり無色透明にしたりするタイプ。これまでの調光ガラスで使われていた液状の電解質をゲル(コンニャク状)化することに成功し、全ての工程を塗布で行えるようにして、大面積化を可能にすると共に、安価に効率的に生産できるようにした。
これまでは、電解質が液状だったため、破損時に液漏れの危険性があったが、ゲル化したことでその心配もなくなった。
同研究所では、今後、ガラス基板ではなく樹脂基板を使う調光フィルムの開発を進め、家庭や自動車に利用できる性能を持った調光ガラス、調光フィルムを実現する計画。
No.2010-12
2010年3月22日~2010年3月28日