(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月14日、地球への帰還を目指して宇宙空間を航行中の同機構の小惑星探査機「はやぶさ」が地球まで約6,000万kmの距離に近づき、地球の引力圏を通過する軌道に乗ったと発表した。 同機構では、「地球への往復飛行に一応の区切りをつけたことになる」とし、今後さらに地球に近づく軌道へと移行させ、地球大気への再突入、地上でのカプセル回収へと進めていく計画。 「はやぶさ」は、イオンエンジンを搭載した探査機で、打ち上げ時の重さは510kg。2003年5月9日に同機構の内之浦宇宙空間観測所(鹿児島)から「M-5」型ロケットで打ち上げられ、地球と火星の間を回っている小惑星「イトカワ」に向かい、着陸と離陸に成功。採取した岩石を積んで地球への帰途についている。 旧ソ連(現ロシア)と米国は、月からサンプルを持ち帰っているが、月は変成(形が変わること)しているため、太陽系初期の物質についての情報を得ることはできない。 それに対し、小惑星は、惑星が誕生した頃の記録を比較的良く留めている天体といわれ、小惑星からサンプルを持ち帰る「サンプル・リターン」が実現すれば、回収される量が少量であってもその科学的意義は極めて大きい。 「はやぶさ」は、3月までイオンエンジンでの航行を続け、順調に行けば6月にも地球に到達する。 詳しくはこちら |  |
一路地球を目指す「はやぶさ」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
|