イチゴの自動選別パック詰め装置を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は12月6日、収穫したイチゴの選別からパック(出荷容器)詰めまでの作業を自動で行う装置を開発したと発表した。
 イチゴ生産に要する作業時間の約3割が選別とパック詰め作業に費やされているといわれ、その省力化がイチゴ栽培での大きな課題となっている。
 新装置は、イチゴの自動選別パック詰め技術を開発し完成したもので、イチゴの良否を選別しパックに詰めるまでの作業を人手を介さず無人でイチゴ1個当たり約7秒で行える。この処理スピードは、手馴れた人の手作業と同等という。
 イチゴは、傷つきやすいため人手で収穫し、人手で選別・パック詰めするしか今のところ手段がなく、共に栽培規模拡大の大きな阻害要因になっている。
 新装置は、自動で収穫箱からイチゴを取り出して1個ずつ搬送コンベア上に置く供給ユニットと、それを選別してパック詰めする選別ユニットで構成される。
 最大のポイントは、選別に画像処理を導入していることで、収穫箱から自動でイチゴを取り出し、デジタルカメラで捉えたイチゴの大きさから果重(重さ)を推定、さらにイチゴの向きを検出してヘタの部分をマニピュレーターで吸着し、パックに向きと大きさを揃えて並べる仕組み。現場での実証試験では、画像処理による果重の推定誤差がプラス・マイナス2gに収まることを確認している。

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新装置を使ってパックに詰めたイチゴ。このように向きと大きさをきれいに揃えてパック詰めできる(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)