(独)農業・食品産業技術総合研究機構は11月22日、倒れにくく、栽培し易い東北地域向けのソバの新品種を開発したと発表した。
同機構の東北農業研究センター(宮城・仙台市)が平成12年度から育成試験に取り組み開発したもので、名称は「にじゆたか」。東日本大震災復興に向け「にじ=虹」で希望や夢を表現し、「ゆたか=豊か」な地域の復活を願い命名したという。実が大粒で、収量性・加工適性が良く、甘み・香りの良い美味しいそば粉がとれる。
東北地域のソバの作付面積は、13,000ha(ヘクタール、1haは10,000㎡)に上る。これは、全国の30%にあたり、ソバの重要産地となっている。
しかし、その一方で収量は伸び悩み状態にあり、10a(アール、1aは100㎡)当たりの平均収量が45kgと全国平均の約70%にとどまっている。
こうしたことから、東北地域に適した新優良品種の開発を望む機運が高まっており、そのニーズに応えようと、早生(わせ)・多収・耐倒伏性を目標に今回の新品種開発を進めていた。
今年6月に品種登録を出願し、10月に出願公表され、すでに秋田、岩手、宮城の3県のソバ栽培農家で試作が始まっている。来年は、さらに多くの生産者が試作に入る見通しという。
No.2011-47
2011年11月21日~2011年11月27日