2008年の世界のCO2排出量、前年比で2%増加:国立環境研究所

 (独)国立環境研究所は11月17日、「グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」がまとめた2008年の世界のCO2(二酸化炭素)発生状況を発表した。
 GCPは、2001年に発足した国際研究計画で、国立環境研究所とオーストラリアの連邦科学産業研究機構に事務局が置かれている。
 発表によると、2008年の人間活動によるCO2排出量は、世界金融危機にともなう経済的影響があったにもかかわらず、前年比で2%増加し、過去最高の一人当たり年間1.3t に達した。
 化石燃料の燃焼によるCO2の排出は、1990年のレベルから41%増加し、ほぼ「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が予想した最悪のケース・シナリオに沿った動きを見せている。世界金融危機の影響によって排出量は、若干減少するが、世界が排出量削減に向けた努力を加速しない限り、排出量は経済の回復と共に再び増加基調に転じると述べている。
 GCPの調査結果によりと、2008年の大気中のCO2増加量は、炭素換算で約40億t、全世界の大気中のCO2濃度は385ppm(1ppmは100万分の1)に達し、産業革命以前の値と比較すると38%増加した。
 GCPつくば国際オフィス事務局長のソバカル・ダカール博士によると「排出されるCO2の内、大気中に残存する割合は平均45%、残りの55%は陸上と海洋の吸収源に吸収される。しかし、大気中残存割合は、この50年間で上昇しており、CO2吸収源による吸収は急激な排出量の増加に追いついていない」という。

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