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シリコン上の縦型窒化ガリウム(GaN)デバイス実現に道―高効率で低コストな電力変換素子や発光デバイスの開発へ:物質・材料研究機構

(2026年6月15日発表)

 (国)物質・材料研究機構は6月15日、シリコンウエハー上に縦型窒化ガリウム(GaN)デバイスを作製するための、低抵抗で熱安定性にすぐれたGaNエピタキシャル成膜技術を開発したと発表した。高効率で低コストな省エネルギー型の電力変換素子や発光デバイスなどの開発に道を開く成果という。

 近年、AIデータセンターの急増などに伴う電力消費量の増加が大きな社会問題になっている。また、将来の脱炭素化に向けて電気自動車やマイクロLEDなどの普及が課題になっている。

 こうしたニーズに対応する革新技術の一つとして、安価なシリコンウエハーを基板とする縦型GaNデバイスの開発が注目され、高効率、低コストな電力変換素子や発光デバイスなどの大規模量産化が期待されている。

 しかし、縦型GaNデバイスを実現するには、これまでは高価な単結晶GaN基板を利用せざるを得ず、これがコストや生産性の面で課題になっていた。

 研究チームは今回、高価な単結晶GaN基板の代わりに安価なシリコンウエハーを用いる技術を開発した。具体的には、まずシリコンウエハー上でGaN薄膜を結晶成長(エピタキシャル成長)させる。それとともに、GaNとシリコン(Si)の界面で低抵抗な縦方向伝導を実現するバッファー層「アモルファスライク中間層」を形成する。

 この中間層がSiとGaNの格子不整合を緩和し、GaNのエピタキシャル成長を可能にするという仕組み。さらに、スパッタGaN膜を下地層として有機金属気相堆積法(MOCVD法)でGaNを成膜し、高品質な膜を得た。

 GaN膜とSi膜の間に電極を形成して電流―電圧特性を評価したところ、縦方向に電流が流れ、デバイス作製に向けて理想的な電流特性を示すことがわかった。これは、シリコンウエハー上の縦型GaNデバイスに向けて重要な要件の一つを満たす成果であるとしている。