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「西之島」で植物の生育を発見―コケやシダ3種類を確認:東京都立大学/京都大学/筑波大学ほか

(2026年7月17日発表)

 東京都立大学や(国)森林総合研究所などの共同研究チームは7月17日、2013年から2020年にかけての火山大噴火で植物が絶滅してしまった太平洋の孤島「西之島」で陸上植物が再び生育しているのを現地調査で発見した、と発表した。環境省の西之島総合学術調査の一環で京都大学、筑波大学、(一財)日本環境研究センターの研究者と共同で、コケ植物1種と、シダ植物2種とが北東部の海岸近くで育っているのを見つけた。大噴火後の植物生育の発見はこれが初めて。

 西之島は、東京から約1,000km離れた無人島で、小笠原諸島の一つ。海洋島(かいようとう)といって、大陸と陸続きになったことがない火山活動によりできた島で、2013年11月から2020年にかけ大きな噴火を繰り返した。

 その結果、島は大きくなり、国土地理院は最新の測定値として2018年1月時点で面積2.95㎢、最高標高は160mと発表している。

 しかし、噴火による溶岩や大量の火山灰、降下物などにより植物は全滅してしまい、最も近い父島でも約130km離れている完全に孤立した海洋島であるという。そのため生物の再侵入は容易でないと見られており、絶滅後の植生回復がどのように始まるのかは分かっていない。

 火山活動で生態系が失われた島は、アイスランドやインドネシアにもあるが、いずれも短期間で多くの植物が再び侵入している。それに対し、西之島は噴火がおさまってから5年以上たってもその気配がこれまで見つかっていなかった。

 このような背景のもと今回の研究チームが環境省の西之島総合学術調査として西之島に上陸したのは、2025年7月。調査可能時間は、数時間と僅かだったが、北東部海岸近くの火山礫(スコリア)や火山灰堆積地で複数の植物が生育しているのを発見、試料を採取してDNA解析などを行ったところ、コケ植物の1種ユミダイゴケと、シダ植物のイワヒメワラビ属の1種・タマシダ属の1種の3種、であることが分かった。

 これら3種の植物は、いずれも胞子による長距離分散能を持っていて、乾燥や強い日射、栄養分の乏しい環境でも生育することが知られている。

見つかったシダ植物は、大きさが1cm程度だったことから侵入が比較的最近起きたものではないかと見ている。

 西之島は、生態系の形成過程を観測できる世界的にも希少な対象として注目されているが、今回の発見を研究チームは「海洋島の生態系形成の第一歩」と位置づけている。

2025年に撮影された西之島の様子 (撮影: 自然環境研究センター 森英章・上席研究員)
(左)西之島で発見されたコケ植物 (右)シダ植物 (撮影: 自然環境研究センター 森英章・上席研究員)