帯状疱疹発症リスク―乳がん手術で1.57倍に:筑波大学
(2026年7月27日発表)
乳がん手術を受けた女性の帯状疱疹発症リスクは1.57倍に。筑波大学は7月27日、乳がんのない同年齢の女性と比較、このような結果を得たと発表した。日本人女性の9人に1人が経験するといわれる乳がんだが、これまでも治療後に全身に痛みを伴う帯状疱疹にかかりやすいとされていた。今回、両者の関係が明確になったことで、乳がん診断後の帯状疱疹ワクチン接種の重要性が改めて確認されたとしている。
研究を進めたのは筑波大学医学医療系の岩上 将夫 教授らの研究チーム。医療統計データを扱う(株)JMDCが全国の健康保険組合から収集した匿名の医療データを利用、乳がん手術を受けた女性2万3,169人と一般女性9万2,801人(いずれも年齢中央値49.4歳)の比較・分析を試みた。
その結果、乳がん手術を受けた女性は一般女性に比べ最大10年間の追跡調査の期間中に帯状疱疹を発症したケースが1.57倍、また皮膚の状態が治った後も続く帯状疱疹後神経痛は1.7倍にのぼることが分かった。
さらに、帯状疱疹の発症リスクは乳がんの診断から1年以内が1.9倍も高く、その後は徐々に低下していることが分かった。ただ、一般女性に比べて発症リスクの高い状態が持続していることも明らかになった。発症リスクはその後で徐々に低下するものの、一般女性に比べると高い状態が持続した。乳がんの治療法との関係については、アントラサイクリン系の抗がん剤を使用した場合に発症リスクがより高くなることも分かった。
帯状疱疹はワクチンによる予防が可能で、発症後の神経痛などの重症化予防にも有効とされている。このため、岩上教授は「乳がん治療の開始前、または治療計画を立てる際に、ワクチン接種の適否と時期を主治医と確認し合うことが重要」と指摘している。



