トルコギキョウの花の香り成分を発見―甘い香り成分を切り花の新たな魅力に：農業・食品産業技術総合研究機構
(2024年4月19日発表)
トルコギキョウ「ニューリネーションホワイト」©農研機構
（国）農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門の大久保 直美 研究推進室室長らの研究チームは4月19日、香りがないとされるトルコギキョウの花から香り成分を初めて発見したと発表した。今後、品種改良によって甘い香りを持つ品種を育成し、新たな魅力の切り花として商品価値を高めていく。
トルコギキョウは国内の産出額が切り花の中で第５位と人気が高い。花の色は紫、ピンク、黄色、緑茶色と色彩が豊かであり、その上に一重咲、八重咲、フリンジ（房飾り）咲と形も変化に富んでいる。香りがないとされているが、よく調べると弱いながらも甘い香りの品種もあった。
色彩が豊かな上に甘い香りが付与できれば商品価値が高まるはずだ。研究チームは育種によって香りの良いトルコギキョウの開発に取り組んだ。
甘い微香のトルコギキョウ「ニューリネーションホワイト」を分析したところ、マタタビの成分として知られるモノテルペン類など芳香族に属する36種類の化合物を検出した。
ハーブのような香りの主成分は「α-セリネン」「β-セリネン」であり、甘いスパイシーな香りの素は芳香族化合物「オイゲノール」によるものとわかった。
オイゲノールはバラやカーネーションの香りにも含まれている。オイゲノール量の多い品種を育てることでトルコギキョウに甘い香りを与えることができるとみている。
