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大規模な連結図ネットワークの読み取りにくさ改善へ―リンクの表現にアニメの手法用い読み取り時間短縮:筑波大学

(2022年9月12日発表)

 筑波大学システム情報系の研究グループは9月12日、多くのリンクが密集して重なり合っている大規模な連結図ネットワークの読み取りにくさを改善する手法を考案したと発表した。読み取り時間の短縮が期待されるという。

 Webのリンク構造や企業間の提携関係、人間関係などのネットワークを表現するものとして連結図が広く用いられているが、大規模なネットワークでは多くのリンクが密集して重なり合い、視覚的に情報を読み取ることが難しくなる。

 その対策として提案されている手法の一つに「部分エッジ描画」がある。これはリンクの一部を省略し、リンクの一部だけを描くことでリンクの交差を排除するもので、視覚的混雑を抑える効果がある。

 研究グループは3年ほど前に、この「部分エッジ描画」を拡張して、リンクを時間と共に伸縮させる表現手法「モーフィングエッジ描画」を開発した。

 モーフィングは映画やアニメーション、あるいはコンピュータグラフィックスに用いられる映像手法の一つで、画像や形状を滑らかに変化させて別のイメージのものにしたりするのに使われている。

 「モーフィングエッジ描画」によれば、全てを一度に重ねて描くと密集して重なり合うようなネットワークでも、時間をわけて描くことで視覚的混雑が回避され、部分エッジ描画よりも読み取り時間に関して優れていることが分っている。

 しかし、ネットワークの規模が大きくなるとモーフィングの周期が長くなり、読み取りに要する時間も長くなってしまうという問題があった。

 研究グループは今回、モーフィングの周期を短縮する手法を3種類開発、読み取り時間を短縮できる可能性を得た。今後評価実験を通して表現形式の有効性を確認する予定という。