国土交通省国土技術政策総合研究所は8月6日、コンクリート偽装防止策の研究を産学官が連携して開始することになったと発表した。
昨年、本来使用が認められていない材料を混ぜ込んだ生コンクリートが出荷され、マンションや戸建て住宅の建設に使われていた事実が発覚し、大きな社会問題になった。
今回の研究は、食品産業や流通産業などで使われている、書き込み可能なIC(集積回路)と超小型アンテナを内蔵した「ICタグ」を活用してコンクリートの製造・運搬・荷卸し・施工までの履歴情報を記録・保存する「トレーサビリティ(追跡可能性)確保技術」を開発し、実用化までもっていこうというもの。
具体的には、ICタグを製造過程のコンクリートの中に投入し、使用現場での受け入れ検査や、施工後の検査などで発生したデータをその都度コンクリート中のICタグに追記していく方式の開発を目指している。偽った情報が記録されないよう監視・管理する仕組みの検討も行う。
研究期間は、平成21年8月から同24年3月まで。同研究所との共同研究に参加するのは、広島大学、(独)建築研究所、東京都・神奈川県・茨城県・千葉県・埼玉県の各生コンクリート工業組合。
No.2009-31
2009年8月3日~2009年8月9日