超音速機技術の研究開発で新計画を提案
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月6日、「『静粛超音速機技術の研究開発』の進捗状況と今後の進め方について」と題する報告をまとめ、同日開かれた文部科学省の航空科学技術委員会に提出したと発表した。
 次世代の超音速旅客機(SST)開発では、ソニックブーム(飛行機が音速を超えた時に発生し地上まで達する音)、騒音、排気ガスを低減する技術を確立して環境適合性と経済性の両立を実現することが不可欠とされ、欧米ではソニックブームの新基準を策定するところまでいっている。
 今回の報告は、そうした海外の動向をふまえて出されたもので、我が国の現行の静粛超音速機技術研究開発計画を見直し、ソニックブーム低減技術確立のための無推力無人の低ソニックブーム機の飛行実験を2013年までに終える新計画を提案している。
 この無推力無人低ソニックブーム機の飛行実験は、スウェーデンのキルナ気球放球場において行い、気球にセットした実験機を高度3万mの高空から落下させ音速の1.6倍(マッハ1.6)程度の速度にしてソニックブーム低減性能を測定するというもの。飛行実験は2011年と2012年の2期に分けて行い、2期目の機体は回収して再使用できるようにする。
 実験に成功し、我が国が目指すソニックブーム低減技術を獲得することができたら、次のステップとしてNASA(米航空宇宙局)とのソニックブーム共同研究に進むとしている。

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