インターネット衛星「きずな」使い皆既日食の映像を伝送
:宇宙航空研究開発機構/情報通信研究機構/国立天文台

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月12日、(独)情報通信研究機構、国立天文台と共同で、7月22日に起きる今世紀最大といわれる皆既日食の様子を硫黄島(東京)でハイビジョンカメラを使って捉え、その映像をJAXAの超高速インターネット衛星「きずな」を使って日本本土に送る映像伝送実験を行うことになったと発表した。
 皆既日食は、月と太陽が重なり、太陽が完全に隠れてしまう自然現象。今回は、トカラ列島から小笠原諸島にかけての範囲で見ることができる。日本で皆既日食が見られるのは、実に46年ぶりで、次回は26年後になる。
 JAXAなど3機関による映像伝送実験は、硫黄島からの複数のハイビジョン映像を現地に配置したパラボラアンテナ搭載の車載型地球局から「きずな」に向け送信、「きずな」のアジア・太平洋全域をカバーできるアンテナ(アクティブ・フェーズド・アレー・アンテナ)で中継し、そのハイビジョン映像を本土の情報通信研究機構(東京・小金井市)やJAXAの地上局(茨城・鹿嶋市)が受信、東京・上野の国立科学博物館をはじめ、各地の科学館、放送局などに配信して広く一般に公開しようというもの。
 今回の皆既日食は、皆既の時間帯の太陽の高度が高く、皆既の時間が長いなど非常に条件が良いのが特徴。JAXAでは「皆既日食の織りなす自然の躍動をハイビジョン映像で伝え、この希有な天体現象の素晴らしさを世界中の皆さんと共有したい」と好天に恵まれることを願っている。

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