(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月8日、同日開かれた航空科学技術委員会にジェット飛行実験機の導入と今後の活用について報告した。購入するのは、米国セスナ社の双発ジェット機「サイテーション・ソブリン」1機で、平成21年度初頭の運用開始を目指して所要の整備を進める。
ジェット飛行実験機は、高速・高高度での研究や飛行実験、あるいは航空機搭載機器や装備品などの飛行実証を行なう実験用ジェット機で、海外各国の公的機関でもよく使っている。
我が国でも平成25年頃の就航を目指して三菱重工業(株)が国産ジェット旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の開発を進めているが、同機のセンサー類の性能の事前検証などにも、このジェット飛行実験機を使う計画だ。
また今後、JAXAや国内企業が研究開発した航空機の先進的な高性能技術、次世代運航技術、静粛超音速技術の飛行実証などにも用いられる。
「サイテーション・ソブリン」は、尾翼前の胴体後部両側にエンジンを装備した双発ジェット機で、全長、全幅共に約19m。定員は14人(乗員2人、乗客12人)で、最大巡航速度はマッハ0.8(時速980km)。最大運用高度は約14,000m、航続距離は約5,300km。
No.2009-23
2009年6月8日~2009年6月14日