(独)農業・食品産業技術総合研究機構は4月22日、「コシヒカリ」に近い味で30%も収量が多い水稲の新品種を開発、「あきだわら」と命名したと発表した。
昨年、穀物や大豆の国際価格が急騰し、小麦製品をはじめ様々な食品が値上がりしたこともあって安価で品質の良い米への消費ニーズが高まっている。今回の新品種は、農業経営者の所得を確保し、かつ消費ニーズに応えることを目指して同機構の作物研究所(茨城・つくば市)が開発したもので、収量に優れる「ミレニシキ」に品質と食味の優れる「イクヒカリ」を交配して実現した。
新品種は、標準施肥の場合で玄米の収量が「コシヒカリ」より13%多く、多肥栽培だと31%も多収になるという。
栽培適地は、関東・北陸以南。「コシヒカリ」同様、いもち病と縞葉枯病に弱い弱点はあるが、同機構は「生産者、流通業者、消費者が共にメリットを享受できる低価格で質の良い米」と位置付けている。
No.2009-16
2009年4月20日~2009年4月26日