(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月22日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」の初期機能確認が終了したと発表した。 「いぶき」は、同機構が環境省、国立環境研究所と共同で開発した重さ約1.75tの中型衛星。今年の1月23日に同機構・種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-IIA」ロケット15号機で打ち上げられ、地球温暖化の原因とされる大気中の二酸化炭素(CO2)とメタンの濃度を地球の約56,000地点について宇宙からほぼ3日おきに同時観測することを目指している。 「いぶき」は、打ち上げから16分1秒で所定の軌道に乗り、その後2月19日に観測軌道への投入が行われ、全搭載機器の116項目にわたる機能チェックに入り、4月6日から8日にかけシステム全体の総合テストにあたる「システム総合運用」を行った。その結果、各機器とも正常に動作することが確認されたことから初期機能確認を終了、4月10日からNASA(米航空宇宙局)などにデータをチェックしてもらう「初期校正検証運用」と呼ぶステージに入った。 右の写真は、搭載するモニターカメラの機能確認のため「いぶき」が3月21日に東日本上空を通過した時に撮影したもので、雲の下の日本と地球の丸みがくっきりと写っている。 同機構は、7月末まで初期校正検証運用を続け、8月には「いぶき」による定常観測を開始し、10月にも観測データの一般配布を始めたいとしている。 詳しくはこちら |  |
観測軌道上の「いぶき」のモニターカメラで写した日本の地形(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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