制振装置付き5階建て建物の震動台実験を公開
:防災科学技術研究所

 (独)防災科学技術研究所は3月5日、同研究所兵庫耐震工学研究センター(兵庫・三木市)の実大三次元震動破壊実験施設「E‐ディフェンス」を使って揺れを吸収する制振装置(ダンパー)を取り付けた5階建て鉄骨構造物の震動台実験を行い報道陣に公開した。
 1995年に起きた阪神大震災(兵庫県南部地震)以降、地震時の建物の揺れを低減する手段としてダンパーの装着が進んでいることから、その効果を実大の鉄骨構造物で詳細に調べようというのが今回の実験の目的。
 実験は、E‐ディフェンスの震動台上に長辺12m、短辺10m、高さ約16.8m、重さ580tの5階建て鉄骨造り試験体を設置、1階から4階までの各階の柱に鋼材製ダンパーを3本ずつ計12本それぞれ筋交い状に取り付け、加振時の変位(揺れ)を総計約1,300個のセンサーで詳細に記録した。
 震動台には、阪神大震災の際、JR鷹取駅構内で記録された地震動と同じ揺れが加えられ、ダンパーはそれぞれ約2cmだけ伸び縮みして元に戻り、試験体に破損は生じなかった。
 今回使った鋼材製ダンパー以外にも各種のダンパーが実用化されていることから、今後粘性ダンパー、オイルダンパー、粘弾性ダンパーについて同様の実験を実施することにしている。

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