国土交通省国土地理院は、明治以来利用されている三角点の標高値を改定する作業を進めているが、4月1日から紀伊半島地域の大阪府、三重県、奈良県、和歌山県の三角点約3,000点を新しい標高値に改定する、と3月2日発表した。今後全国の三角点を対象に順次改訂を進めていく方針。
近年は、GPS(全地球測位システム)を使った測量方式が広く一般に用いられ、三角点のより正確な標高値が必要になっている。特に紀伊半島地域の三角点は、明治40年(1907年)頃までに行われた三角測量によって三角点の標高値が決められ、当時の決定値が測量その他の目的に使われてきた。
しかし、紀伊半島では、昭和19年(1944年)の昭和東南海地震、昭和20年(1945年)の三河地震、昭和21年(1946年)の昭和南海地震などの地震で地殻が変動し、さらに一部地域では地盤沈下なども生じ、それらの影響を含めた標高変動を考慮することが必要となっていた。
今回の標高改定で改定量が最も大きい三角点は、「下津股」(和歌山県有田川町下湯川)のプラス59cmと、「三日市村」(三重県鈴鹿市三日市)のマイナス71cm。
また、主な山岳にある三角点の標高も改定した。これに伴い、国土地理院は、4月1日以降に刊行する紀伊半島地域の地形図に順次新しい標高値を記載する。
No.2009-9
2009年3月2日~2009年3月8日