(独)物質・材料研究機構は2月27日、各種素材の国際的な流れを示す「物質フロー」の近年の状況をまとめ発表した。
この研究は、国連の貿易統計である「Comtrade」のデータをもとに、各種素材のトレードフロー(貿易による物質フロー)を整理し、分析したもの。それによると、世界の物質フローが急速に変化している中で、日本は各種の金属などほとんどの工業素材で基軸的な位置を占めており、「最大の工業素材貿易国」と位置付けている。
分析では、鉄、アルミ、銅をはじめとする26種類の素材それぞれの世界各国の輸出・輸入を金額ベースで積み上げているが、日本は輸出で2位、輸入で3位の位置にあり、輸出入の総額では「ロシア、米国、中国を凌ぐ素材大国である」という。
また、現在日本の輸出を牽引しているのは「輸送機械」で占有率は25%程度だが、一時期牽引車となっていた「産業機械」、「電子機器」はこの10年で低落し共に20%を切るに至っているのに対し、伸張著しいのが「工業素材」で、今や「機械」、「電子機器」を抜いて20%強を占め、「日本の国際競争力を支える重要な柱になっている」と分析。世界共通語の「Engineering Material」を日本語の「SOZAI」と呼ばせることができるようになるくらい国際的に責任ある取り組みが求められていると結論している。
No.2009-8
2009年2月23日~2009年3月1日