(独)農業・食品産業技術総合研究機構は1月19日、今年度(平成20年度)から3年計画で、(株)日本製紙グループ本社、九州大学、京都大学、アサヒビールと共同で、「抗疲労作用のある新規高アントシアニン茶品種育成と利用食品開発」プロジェクトに取り組むと発表した。
新たな高アントシアニン茶の育成・栽培試験を行うと共に、茶葉に含まれる機能性成分の研究を行い、疲労やストレスの軽減に効果のある安心で科学的根拠の明らかな、今までにない新品種のお茶を育成、消費者に提供するという。
高齢化が進む中、健全な食生活による健康寿命の延伸や生活習慣病リスクの高い人を対象に、高機能性食品に対する国民の期待が高まっている。これに対し同研究機構は、高アントシアニン茶である「紅花」や「茶中間母本農6号」がヒトの試験で、眼精疲労、ストレス軽減効果のあることを明らかにし、この2品種の交雑後代から栽培形質の優れた高アントシアニン茶系統を選抜し、苗の培養技術を確立した。
この茶系統を用いて機能性成分の単離・同定、疲労・ストレスのバイオマーカーの解明、機能性成分の共存効果と代謝成分の安全性を評価し、適正摂取量を設定する。さらに、作用メカニズムを解明して、動物、ヒトでの臨床評価を行うと共に、栽培技術を確立する。
また、品種登録して、飲食品に応用する食品素材化技術の開発も行うことにしている。
No.2009-3
2009年1月19日~2009年1月25日