(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業㈱は1月23日、温室効果ガス観測衛星「いぶき(GOSAT=Greenhouse Gases Observing Sate-llite)」と、相乗りした小型衛星7基を載せた「HII-A」ロケット15号機をJAXA種子島宇宙センター(鹿児島)から打ち上げた。打ち上げは、当初1月21日に予定されていたが、悪天候で順延されていた。同日午後1時前に発射された同ロケットは、正常に飛行して約16分後に「いぶき」を分離、衛星は所定の軌道に乗った。相乗り小型衛星も次々に分離され、6基が軌道に乗ったことが確認された。 「いぶき」は、JAXAが環境省、国立環境研究所と共同で開発した重さ約1.75tの中型衛星で、地球温暖化の原因とされる大気中の二酸化炭素(CO2)とメタンが特定波長の赤外線を吸収する性質を利用、この二つのガスの濃度を一つのセンサーで地球の約56,000地点でほぼ3日おきに同時観測する。 これらガスの地上観測点は、世界に約280カ所あるが、地点が先進国中心に偏っている。高度約680kmの極軌道に近い軌道を一周約100分で周回する「いぶき」は、大洋上も含めて現在の温室効果ガス観測網の穴を埋め、今後の地球温暖化予測に貢献する。観測機器テストなどした後、早ければ今年9月から世界の研究者にデータを無償で提供する。 7基の小型衛星が相乗りしたのは今回、「H-IIA」ロケットに打ち上げ能力の余裕があったから。その内の一つ、JAXAの小型実証衛星「SDS-1」以外は、全て重さ50kg以下の民間衛星である。その名称と開発主体は次の通り。(1)「かがやき」=ソラン㈱など、(2)「STARS(KUKAI)」=香川大学、(3)「航空高専衛星KKK-1(輝汐)」=東京都立産業技術高等専門学校など、(4)「PRISM(ひとみ)」=東京大学、(5)「スプライト観測衛星(雷神)」=東北大学など、(6)「SOHLA(まいど1号)」=東大阪宇宙開発共同組合など。 詳細はこちら |  |
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「いぶき」を載せて上昇する「HII-A」ロケット15号機(提供:三菱重工業) |
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