(独)産業技術総合研究所は12月18日、みずほ情報総研(株) 、(社)バイオ産業情報化コンソーシアム、東京大学と共同で、遺伝子の発現制御で重要な役割をしているRNA(リボ核酸)の二次構造を予測するソフトウェアを開発したと発表した。
フリーソフトウェアとして無償で提供するほか、12月18日からインターネット(http://www.ncrna.org/)上で公開した。
RNAは、遺伝子のDNA(デオキシリボ核酸)からタンパク質が合成される際の中継ぎとしての役割が古くから知られているが、近年そのような役割をしないRNAが遺伝子の発現制御や細胞のがん化などで重要な役割を果たしていることが分かってきた。
このような機能性RNAが機能を発現するには、長い1本鎖であるRNA分子が部分的に2本鎖を形成して二次構造と呼ばれる特異的な構造をつくる。共同研究チームは、RNAの機能を解明するのに不可欠な二次構造を計算機上で精度良く予測する新手法を開発、構造が分かっているRNAを用いた計算機予測実験で従来のRNA二次構造予測手法より高精度であることを実証した。
この新ソフトウェアは、RNAの二次構造予測の標準的なソフトの一つとして、RNAの機能解明や、新しい機能性RNA発見のための一助になるものと期待される。
この研究は、(独) 新エネルギー技術総合開発機構(NEDO)の「機能性RNAプロジェクト」の一環で行われた。