葉っぱの形をしたユニークな有機薄膜太陽電池を試作
:産業技術総合研究所/三菱商事/トッキ

 (独)産業技術総合研究所(産総研)は5月21日、三菱商事(株)、トッキ(株)と共同で葉っぱの形をしたユニークな有機薄膜太陽電池を試作したと発表した。
 産総研は、太陽電池の発電コストを既存電力並みにまで低減すべく革新的な材料やデバイス(素子)の開発に取り組んでいる。その一環として力をいれている有機半導体の薄膜を材料とする有機薄膜太陽電池は、軽くて柔らかい特徴のほか、鮮やかな色彩を持たせることができるため、建材、衣料、生活用品、レジャー・アウトドア用品、玩具といった従来のシリコン系太陽電池とは異なる分野・用途への利用が開けると期待されている。
 新太陽電池は、プラスチック基板の上にnm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)オーダーのフタロシアニン(色素として知られる有機半導体)層とフラーレン(60個の炭素原子が結びついたサッカーボール型の分子)層を積層して実現した。観葉植物をイメージした葉っぱ型をしており、フレキシブル・カラフル・軽量なのが特徴で、葉っぱ1枚に面積約7.5cm²の太陽電池セルが8個直列に接続されている。
 産総研では、「3者の相乗効果により、薄くてフレキシブルな大面積・高耐久性有機薄膜太陽電池モジュールの早期商品化・市場投入を目指したい」としている。

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8個の太陽電池セルからなる葉っぱ型の有機薄膜太陽電池(提供:産業技術総合研究所)