メンデルが「遺伝の法則」発見に用いたマメの遺伝子を同定
:農業生物資源研究所/東京大学

 (独)農業生物資源研究所と東京大学の共同研究グループは10月2日、メンデルが「遺伝の法則」を発見するのに用いた7つの形質の一つである緑色マメの緑色を保つための遺伝子を突き止めること(同定)に成功したと発表した。
 今回同定した遺伝子は、本来黄色に成熟するエンドウの種子や老化時に黄色になる葉を緑色に保つもので、植物の光合成において中心的な役割を果す葉緑素(クロロフィル)と呼ばれる緑色の色素が分解されないために起こる現象にも関わっている。種子の子葉が緑色という形質は、未熟な頃の緑色を保ったまま成熟してしまう突然変異によるもので、こうした緑色を保つ突然変異体を、「stay green 突然変異体」と呼んでいる。
 研究グループは、これまでイネのstay green突然変異原因遺伝子(OsSGR)などを分離している。今回の研究では、イネのOsSGRに相当するエンドウのSGR遺伝子(PsSGR)を分離し、エンドウの突然変異系統について詳しく調べた。その結果、メンデルが遺伝の法則を発見するのに用いた遺伝子は、エンドウのPsSGRであることを突き止めた。また、この遺伝子が、緑色の元になるクロロフィルの分解酵素に関わっていることも明らかにした。
 この研究成果は、米国科学アカデミー紀要(PANS)に8月25日掲載された。

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