(独)宇宙航空研究開発機構は10月5日、月周回衛星「かぐや」を月を回る大きな楕円軌道に投入することに成功したと発表した。月からの高度は101km(近月点高度)~11,741km(遠月点高度)、周期は16時間42分で、ほぼ計画通りだった。
「かぐや」は、月の起源と進化を解明する本格的な月探査衛星で、子衛星2個を含めて重さは約3t。大きさは、主衛星が約2.1×2.1×4.8mの箱型で、子衛星は共に約1×1×0.65mの八角柱型。
計画では、子衛星も使って月面の元素分布、鉱物分布、地形・地層構造、月面環境、月の重力分布、地球プラズマ環境の調査、ハイビジョンテレビによる地球の画像撮影など、15項目の探査活動を約1年にわたって行う。
「かぐや」は、9月14日、同機構種子島宇宙センター(鹿児島)からH-IIAロケットで打ち上げられ、これまで月に向けての飛行を続けていた。同機構は、9月4日午前6時20分、「かぐや」のエンジンを噴かして月を回る軌道に乗る操作を行い、5日早朝、月を回る軌道に乗ったことを確認した。今後、さらに軌道を調整して、主衛星を月観測の円軌道に乗せ、12月下旬頃から科学観測を開始する計画である。
No.2007-39
2007年10月1日~2007年10月7日