
西之島付近噴火活動。斜め写真(平成27年12月9日撮影)(提供:国土地理院)
国土交通省の国土地理院は1月8日、太平洋の火山島、西之島の最新の面積、最高標高、体積を発表した。
面積は約2.71km2で、平成27年7月28日に行った前回の計測で得た2.74km2よりわずか0.03km2ではあるが減少していることが判明した。また、最高標高も前回の約150mを8m下まわり、同142mだった。それに対し、体積は増加し、前回より約290万㎥増の同8,801万㎥になっていた。
東京大学地震研究所の中田節也教授は、この計測結果について、①面積の縮小は、新たに海中に流入する溶岩が減少したことにより、波浪による浸食が新たな溶岩による陸地面積の拡大を上回ったためと思われる②海面上の体積が増加したのは、溶岩などの厚みが増したためと考えられる③最高標高が低下したのは、粘性が上がったため噴火がより爆発的となり、火口径が拡大したためと考えられる、とコメントしている。
西之島は、東京の南約1,000kmに位置し、硫黄列島と同一の火山脈に属す無人島で、平成25年に40年ぶりに噴火した。計測は、平成27年12月9日、測量用の航空機「くにかぜⅢ」を硫黄島(東京・小笠原村)から飛行させ、西之島周辺の空中写真を防衛省の協力を得て撮影し、それを解析するという方法で行った。