甘くて味の良い早生の柿を2品種開発
:農業・食品産業技術総合研究機構(2015年11月14日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所は11月4日、甘くて味の良い早生(わせ)の柿「麗玉(れいぎょく)」と「太雅(たいが)」の2品種を開発したと発表した。

 2品種とも完全甘柿で、糖度は、「麗玉」が18.2%と「松本早生富有」の16.4%を上回り、「太雅」も16.7%を記録。現在、甘柿の生産は、完全甘柿の「富有(ふゆう)」を中心とした中晩性品種に偏っていて早生品種の生産は多くない。そのため、早生の新品種開発は、柿の消費拡大を図る上の重要な目標課題になっている。収穫期は、東広島市(広島)の同機構果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点での育成では10月中下旬を記録、現在広く栽培されている完全甘柿品種の「松本早生富有」より10日以上早く収穫できている。

 また栽培は、2品種とも夏秋期の気温の高い地域に適し、「松本早生富有」、「富有」が作れる地域で栽培できる。さらに、受粉しなくても結実する「単為結果力」が強く、種無しの完全甘柿を安定して生産できる。2品種とも早期落果や果頂裂果などの障害果はほとんどでないという。

 また、2品種とも比較的大果で、育成地で得た柿の重さは、「麗玉」が平均278g、「太雅」が同324gと、これも「松本早生富有」の同260gを上回っている。苗木は、平成28年秋季から販売される見込み。

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「麗玉」と「太雅」の樹性、結実性と成熟期(提供:(国)農業・食品産業技術総合研究機構)