(国)産業技術総合研究所は11月2日、東京大学大学院情報理工学系研究科の五十嵐健夫教授らの研究グループ、がんこフードサービス(株)と共同で、室内を利用する人と設計者とが協調して空間をレイアウトするシステムを開発したと発表した。
レイアウト設計者と室内利用者がそれぞれの視点で家具の配置や動線などを考え調整できるのが特徴で、店舗設計などへの利用が期待される。
新技術の名称は、「Dollhouse VR(ドールハウスVR)」。複数の設計者が操作できるマルチタッチパネルを使った壁や家具などのレイアウトの変更が行なえる「空間レイアウトインターフェース」と、頭部搭載型のディスプレイを用いて室内利用者が現実には存在しないバーチャルリアリティー(VR)の空間レイアウトが体感できる「没入型インターフェース」と呼ばれるシステムで構成されている。設計者が利用者の意見をその場でレイアウトに反映でき、住宅や商業施設などの大規模建築物の空間設計の工程を短縮できるという。
がんこフードサービスは、和食レストランチェーンを展開している企業で、新規オープンを予定していた店舗をこの開発したシステムで再現し従業員がレイアウトの検討を行う実証実験を既に実施済みで、「空間レイアウトの検討を行うのに有用であることが確認できた」(産総研)という。