大型斜面で「まさ土」使い広島市の土砂崩れを再現実験
:防災科学技術研究所(2015年9月25日発表)

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平成27年に公開した斜面崩壊実験の様子。手前は表示機器、奥が崩壊斜面(提供:(国)防災科学技術研究所)

 (国)防災科学技術研究所は9月25日、公益社団法人日本地すべり学会と共同で、つくば市(茨城)天王台の同研究所内にある大型降雨実験施設で、「まさ土」を使って盛土斜面を築き、平成26年8月に起きた広島市で起きた土砂崩れを再現する実験を行うと発表した。

 同施設では昨年8月22日にも同様の盛土斜面土砂崩れ実験を行ったが、その実験では川砂で斜面を築いたが、今回は、広島市の大規模土砂災害の一因とされる「まさ土」を使って行うもので、笠間市(茨城県)のものを、含水比、密度などを一定にして使う。

 実験は、同施設にソイルセメントで総斜面長7m、幅9m、高さ5m、傾斜40度の土台を構築、その上に「まさ土」を1mの厚さに盛土した。盛土底部には砂利を引き、斜面に浸透した水は下に向かって流れるようにしている。

 盛土斜面には、変位や水分量などを計測する各種のセンサーを設置、内部には、圧力式水位計を設置して、斜面崩壊まで連続計測する。実験は1時間雨量60mm程度の雨を盛土斜面が崩壊するまで連続的に降らせて地盤の変化などを計測する。実験は、報道機関や関係機関などに公開して10月2日に実施。

 今回の実験について同研究所は、川砂を使った昨年のデータと合わせ、土砂崩壊予測に向けた重要なデータとなるとしている。

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