地球規模の気候変動リスク管理で研究成果を発表
:国立環境研究所(2015年9月25日発表)

 (国)国立環境研究所は9月25日、2012年度から取り組んでいる「地球規模の気候変動リスク管理戦略の構築に関する総合的研究」のこれまでの研究成果を「地球規模の気候リスクに対する人類の選択肢(第1版)概要版」(URL:http://www.nies.go.jp/ica-rus/report/version1/index.html)として発表した。

 この総合研究は、国内の13の大学・研究機関から約100人が参加して2016年度までの予定で進められ、気候変動リスクへの戦略を提示することを目指している。

 国連は、「気候変動枠組み条約」の交渉で、「世界平均の気温上昇を、産業化以前を基準に2℃以内に抑える」とする「2℃目標」を掲げている。

 今回発表された研究成果は、1.5℃、2.0℃、2.5℃の各目標を掲げた場合に、それぞれが地球規模の気候変動の「リスク管理」にどのような意味をもたらすかを、食料、生態系、水資源、洪水、健康などに及ぼす影響と、気候変動への対策の両面から検討したもの。

 その結果、それらの目標のどれを選ぶかによる違いは、「いずれかの目標を達成した場合と対策無しの場合の間の違いよりもかなり小さい」ことが判明したとし、二酸化炭素(CO₂)回収貯留技術の大規模導入が「必須の対策オプションであるようにみえる」とまとめている。

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