国土交通省の国土技術政策総合研究所とつくば市(茨城)は9月3日、つくば市内の小学校の通学路で昨年8月から今年の6月まで実施した交通安全対策実証試験の結果を発表した。ポールの設置や路面の盛り上げ(ハンプ)などの安全対策を施したもので、走行車の速度低下など安全性の向上が確認された。
つくば市の人口あたりの歩行者事故件数は、7〜9歳が特に多く、小学生を対象にした交通安全対策の実施が強く求められている。
国総研は、つくば市内の市立要(かなめ)小学校周辺の通学路を対象とする交通安全対策の立案を、つくば市がその対策の実施をそれぞれ行った。交通安全対策として①自動車の速度低下を目的とするハンプやポールの設置②運転者と歩行者の注意喚起のための路肩のカラー化、路面表示や看板の設置③見通しを悪くしている植栽の剪定―などを行って効果を調べた。
その結果、単独走行車の速度が時速42.0kmから同34.3kmに低下し、時速40kmを超える車の割合が62%から17%にまで激減する速度低減効果が確認された。
また、①ハンプの設置は、自動車への注意喚起の効果がある②路肩のカラー化で歩行者優先の意識が向上③ポールにより車との接触の危険性が低下したなど、9割近くの歩行者が感じたことが分かったとしている。