タイと共同で育成したサトウキビをタイの新品種に登録
:国際農林水産業研究センター(2015年7月6日発表)

 (国)国際農林水産業研究センターは7月6日、同研究センターとタイ農業局が共同で育成したサトウキビ3品種がタイで新品種に登録されたと発表した。同研究センターが海外でサトウキビの品種登録を行ったのは、これが初めて。

 これら新品種は、タイのサトウキビ野生種と製糖用の品種を交配して得た種間雑種に製糖用品種を再び交配して作った。従来の製糖用品種と比べて茎は細いが茎数が多く、砂糖含有量は低いが原料茎収量は多いことから、面積当たりでは同程度以上の砂糖収量が得られる。さらに、繊維収量が1.5倍以上と多く、エタノールや燃料用バガス(絞りかす)の生産などに利用できる多用途利用に適した品種。

 サトウキビの栽培は、「株出し栽培」と呼ばれる収穫後の刈り株から再生してくる芽を育てていく手法によって行われ、豪州やブラジルなどでは5〜6回の株出し栽培がやられている。ところが、タイのサトウキビ主産地の東北タイでは、土壌などから株出し栽培が年1回しかできないでいる。

 今回登録になった新品種は、株出し栽培での収量減が少なく、多回株出し栽培を可能にすることが期待される。

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